視覚障害者が克服すべき課題【文字処理について】

昨日は私が通っている文章書き方教室「ふみサロ」の定例会でした。

ふみサロでは、毎月課題図書が与えられ、課題図書をテーマにエッセイを書きます。

今回の課題図書は、甲斐ナオミ先生が書かれた、「ネイティブの“こども英語” で 通じる英会話【無料音声付き】」です。

本来は英会話をテーマにすべきなのでしょうが、この本の点字化が間に合わなかったときに備えて、私が英語学習で躓いたときの経験を、エッセイにまとめました。

英語点字学習を通して、視覚障害者の文字処理能力について考える

私は、気がついてみたら英語に苦手意識を持ってしまった。中学生~高校2年生までは英語が得意科目で、高校2年で英検準2級まで合格できた。

ところが、英検2級の勉強に入る時点で、「英語スランプ」状態になってしまった。その状態からいまだに脱出できていない気がする。それはどうしてか、自分なりに考えて、導き出された仮説は、点字を使用する視覚障害者が直面する、文字処理に起因する課題ではないかと考えた。

私には重度の視覚障害と肢体不自由の重複障害がある。視覚障害の程度は未熟児網膜症により右目は失明、左目にも重度の視力障害と視野障害がある。日常の文字の読み書きに点字を使っている。肢体不自由の程度は脳性麻痺による運動機能障害のため、外出時には車椅子を使っている。私はこのような障害を抱えながら、小学校は盲学校に通い点字や視覚障害を克服する教育を受けながら定期的に(週1回~学期に1回)地元の小学校に通っていた。中学、高校、大学は一般の学校で学んでいた。

一般学校で学ぶ中で苦労したのが、点字の表記法と、墨字(すみじ)(通常の活字)の表記法の違いを理解することだった。特に英語には、初心者向けの1級点字(grade 1)と刊行物等で用いられている2級点字(grade 2)があり、日本の盲学校教育では中学卒業までに原則2級点字を習得することになっている。このため、英検3級以降の点字問題は2級点字で出題される。

2級点字とは、点字の読み書きを素早く行うために単語の一部または全部を省略する記法である。例えばYou can do it. を2級点字で書くと、Y c d x. となる。

一般の学校で学んでいた私は、学校の英語の試験では点字を知らない晴眼者(せいがんしゃ)(目が正常に見える人)の先生に墨字の答案を書くために、1級(フルスペル)を覚えなければならなかった。なおかつ点字教科書や公的な試験(英検や高校、大学の入学試験)の英文を読むためには2級点字の略字のルールを覚えていなければいけなかった。

私は学校で英検2級合格に向けて、先生から補習授業を受けていたとき、1級点字と2級点字の表記上のルールの差で混乱してしまった。

学校のパソコンでは2級点字で辞書が引ける環境ではなかった(普通高校にいたので、盲学校のように点字の辞書がなかった)。ところが教科書と試験問題は2級点字の略字で書かれている。そのため先生に、「辞書でわからない単語を調べてみなさい」と言われても、先生の前でフルスペルを思い出せず、辞書を引けずにフリーズしてしまったのだ。たとえばnecessaryという単語を2級点字にするとnecになる。点字の分を読んでいるのでnecが「ネセサリー」だとわかるのだが、肝心のフルスペルnecessaryを思い出せないので、辞書を引けなかったのである。

ICT機器の活用により、視覚障害者と晴眼者の垣根を越えてコミュニケーションが可能になった。だが、点字を使う視覚障害者には、点字と墨字の両方を使いこなすスキルが求められる。そのために一般の学校、盲学校、視覚障害者向けの職業訓練校や就労支援センター、障害者向けのパソコン教室などで、視覚障害者の文字処理能力を養うカリキュラムを充実させることが必要だと考える。

今回読んだ本

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