障害があるからこそ、地域の防災訓練に参加しよう!

私には重度の視覚障害と肢体不自由の重複障害がある。視覚障害の程度は未熟児網膜症により右目は失明、左目にも重度の視力障害と視野障害があり、日常の文字の読み書きには点字を使用している。肢体不自由障害の程度は脳性麻痺による運動機能障害があり、主に左手と左足が動かしづらく、外出時には車椅子を利用し介助者を同伴している。私はほぼ毎年、地元の防災訓練に参加している。 防災訓練に参加することで、私たち障害者は災害時にどのような援助が必要か理解できる。そのうえで、周囲の人たちの協力を得ることが必要になるからだ。ある年の訓練で、119番通報の訓練が行われた。私も実際、会場に用意された電話機で119をダイヤルして、緊急通報する練習をした。ところが、訓練場所の電話機は自宅の電話機よりもスイッチが固く、私の手の力では、キーを押し込むことが難しかった。その様子を見ていた消防署の職員の方が「お宅では緊急通報システムを導入したほうがよいと思いますが、いかがですか?」と声をかけてくださった。その当時、私の住む自治体では、高齢者世帯のみに緊急通報システムを導入する補助が行われていた。私はそのことを知っていたので、「確か、高齢者のみの世帯が対象で、障害者がいる世帯は対象にならなかったはずですが…」と答えた。それでも職員の方は、「ダメ元で、区役所に聞いてみるなり、区に要望を出されてはどうでしょうか。あなたのように、手が不自由で電話のボタンが押せずに通報できないというケースは他にもあるでしょうから。」と言って、熱心に緊急通報システムを薦めてくれた。防災訓練から1ヶ月後、私は福祉事務所で緊急通報システムのことをたずねてみた。すると、「今月から身体障害者がいる世帯の方も対象になりましたので、河和さんでもご利用になれますよ。」と言われ、我が家でも緊急通報システムが使えるようになった。このシステムがあれば、居室にある通報装置のボタンをおすだけで、警備会社と東京消防庁に通知が送られ、迅速に救急車や消防車を手配してもらえる。緊急通報ボタンを押したあと1~2分以内に、警備会社から電話がかかってくるので、職員にどのような事態で通報したのか伝える。もし警備会社からの電話に出られなかった場合は、緊急事態だと見なされ、消防署に出動要請が入るので、万一重篤な病気で倒れた場合も安心できる。 このような体験を通して、地域の防災訓練に出席することの大事さを痛感させられた。*********## このエッセイについてこのエッセイはSNSで人気が出る文章の書き方を学ぶオンラインサロン「ふみサロ」の定例会で発表した原稿を元に作成しました。[「ふみサロ」の詳細はこちら](https://bit.ly/2Nl6ECM)ふみサロでは、課題図書を元にエッセイを書きます。## 今回読んだ本[自衛隊防災ブック(マガジンハウス 編、自衛隊/防衛省 協力)](https://www.amazon.co.jp/dp/4838730101)

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